今日は、小説片手に本郷キャンパスを歩いてみたいと思います。
持っていくのは夏目漱石の『三四郎』です。
この作品の版権はもうとっくに切れていますので、
ネット上で全文読むことができます。
スマホさえあれば、
いつでもどこでも目の前の景色と本文を見比べながら
気軽に文学散歩を楽しめるのですから、
便利な時代ですね。
さて、
熊本の高等学校を卒業して
帝国大学文科大学進学のため東京に出てきた小川三四郎は、
到着早々、知人の親戚にあたる野々宮君を訪ねて
本郷キャンパスにやってきます。
ここを訪れるのはこのときがはじめての様子。
キャンパス北端の弥生門から構内に入った三四郎は、
理系の実験中の野々宮君に会い、
それから「池」に向かいます。
この池こそがずばり三四郎池。
正式名称は「心字池」なのですが、
この作品がヒットして以来、通称としてそう呼ばれることになりました。
<<横に照りつける日を半分背中に受けて、三四郎は左の森の中へはいった。<中略> 三四郎は池のそばへ来てしゃがんだ>>